歯を失ってしまったときの治療法には、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」この三つの方法があります。その中でも、複数の歯を同時に失った方におすすめなのが“インプラントブリッジ”です。
インプラントとブリッジそれぞれの治療法については知っている方も多いと思いますが、インプラントを使ったブリッジ治療についてはまだあまり知られていないのではないでしょうか?
今回はそんなインプラントブリッジについて詳しくご説明していきます。
インプラントブリッジ治療とは?

インプラントブリッジとは、顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に複数の人工歯を連結して固定する方法です。健康な歯を削る必要がなく、見た目や噛み心地が非常に自然なのが特徴です。
たとえば、3本分の歯を失った場合、2本のインプラントを両端に埋入し、その上に3本分のブリッジを装着することが可能です。
さらに6〜8本のインプラントで上下の歯をすべて再建する「フルアーチ(全顎)インプラントブリッジ」も存在します。
参考:Wells Family Dental Group
参考:Your Dentistry Guide
インプラントブリッジが選ばれる理由

ここではインプラントブリッジがおすすめ理由についてご説明していきます。
1. 健康な歯を削らない
従来のブリッジ治療では、両隣の健康な歯を削って土台にする必要がありました。インプラントブリッジなら、人工歯根が直接骨に固定されるため健康な歯を傷つけません。
2. 噛み心地が自然で安定する
インプラントは骨としっかり結合するため、まるで自分の歯のような安定感があります。入れ歯のようにズレることがなく、硬いものもしっかり噛むことができます。
3. 顎骨の吸収を防ぐ
歯を失うと噛むなどの刺激がなくなり、顎の骨が徐々に痩せていきます。インプラントは骨に噛む力を伝えることで、骨の吸収を抑える働きがあるため、顎骨が吸収され噛み合わせが崩れてしまうことを防ぎます。
4. 見た目が自然で快適
インプラントブリッジは固定式のため外れることがなく、発音や笑顔も自然です。また、入れ歯についている金属のバネなども見えず、審美的にも優れています。
よくあるケース:3本ブリッジタイプ
最も多い症例は、3本の歯を失った部分に2本のインプラントを使用するブリッジです。両端のインプラントがしっかり支えるため、強度・見た目・噛み心地のバランスが取れます。
設計段階では、噛み合わせや力の分散、清掃性などを考慮して行われます。正しいメンテナンスを続ければ、10年以上長期的に使用可能です。
入れ歯に比べると、見た目も自然で使い心地もご自身の歯のように使っていただけます。
多数歯・全顎インプラントブリッジ(フルブリッジ)
多くの歯を失った場合でも、すべての箇所にインプラントを埋める必要はありません。6本前後のインプラントで上下の歯を再建できるケースもあります。
欧米では「フルアーチ・インプラントブリッジ」と呼ばれ、少ない本数のインプラントで12本前後の人工歯を支える方式(All-on-4/All-on-6)が主流です。固定式で、入れ歯のように取り外す手間がなく、自然な見た目と快適さを両立します。
インプラントブリッジの注意点

- 手術を伴うため、体調や骨の状態を確認する必要があります。
- 治療期間は数ヶ月から半年ほどかかることがあります。
- 自由診療のため、費用はやや高めです。
- インプラント周囲炎を防ぐには、定期的なメンテナンスが必須です。
インプラントブリッジは治療が完了するとご自身の歯のように快適に使っていただけますが、ご自身の徹底したセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンス必要になります。
しかし正しい歯磨きや歯間清掃、定期的な検診を行うことで、インプラントを長く健康に保てます。
インプラントの外科治療や費用、時間など大変な面もありますので、事前にしっかりと注意点を理解した上で選択するようにしましょう。
治療の流れ

- カウンセリング・検査:CT撮影などで骨や噛み合わせを詳しく確認。
- インプラント埋入手術:局所麻酔下で人工歯根を埋め込みます。
- 治癒期間:骨とインプラントが結合するまで2〜4ヶ月ほど待機。
- 人工歯の装着:仮歯で噛み合わせを確認後、最終的な人工歯を固定。
- 定期メインテナンス:3〜6ヶ月ごとにチェック・クリーニングを行います。
まとめ:自然な噛み心地を取り戻すならインプラントブリッジ
インプラントブリッジは、見た目・機能性・耐久性を兼ね備えた治療法です。3本ブリッジから全顎再建まで対応でき、健康な歯を守りながら快適な生活を取り戻したい方に最適です。
「入れ歯が合わない」「健康な歯を削りたくない」「しっかり噛みたい」――そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な歯科医師が最適な治療プランをご提案します。
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