インビザライン矯正を始めてから「装着すると気持ち悪くなる」「吐き気が出る」と感じる人が稀にいらっしゃいます。
透明マウスピースは快適な治療法として人気ですが、初期段階では口の中の変化に体が慣れず、一時的に不快感が出ることがあります。
実際にインビザライン治療を始めたばかりの方で、「新しいマウスピースを入れた夜に吐き気がした」という声も聞いたことがあります。ただし、多くの場合は数日〜1週間ほどで自然に軽減し、長期間で続くことは稀です。
こちらの記事ではインビザライン治療による吐き気にフォーカスしてご説明していますので、ぜひご参考にしてみてください。
インビザラインによる吐き気の主な原因5つ

ここでは、インビザライン治療による吐き気を感じやすい主な原因を5つご紹介していきます。
1番の要因は・・・
これはインビザラインだけでなく、入れ歯など他の歯科治療に全般に当てはまりますが、歯や歯茎と素材がぴったりしておらずに隙間があることによる異物感です。
隙間がぴったりしていないなら、ぴったりするように調整してもらいましょう。
そしてあとはパーセンテージは下がりますが
① 嘔吐反射(おえっとなる感覚)
マウスピースが舌や上あごに触れることで、嘔吐反射が刺激されるケースがあります。
特に歯科治療で「おえっ」となりやすい人は、マウスピースを装着したことによる装置の異物感を強く感じやすい傾向があります。上記の説明通り隙間があると異物感が多くなります。
ただしこの嘔吐反射は訓練で治すことができますので、歯科医に相談してみましょう。
② 新しいトレイによる圧迫感
マウスピースを初めて装着した頃や、交換直後は歯に強い力がかかり、自律神経が刺激されることで頭痛や吐き気を感じる人もいます。
マウスピースなどの圧力による一時的な吐き気は珍しくなく、初期の頃には感じやすいですが、徐々に慣れていくことがほとんどです。
参考: Costa Smiles
③ 唾液や口腔内環境の変化
マウスピースを入れると唾液の流れが変わり、口腔内の乾燥や臭いを感じることがあります。こうした口腔内の不快感が、間接的に気持ち悪さや吐き気につながることもあります。
④ 素材への軽いアレルギー
ごくまれに、インビザラインのマウスピース素材に対してアレルギーがあり、装着後に過敏反応で吐き気や頭痛を伴うことがあるとされています。
参考:ClearSmile Charlotte
⑤ 体調・ストレス・噛み合わせの変化
矯正中は歯の移動や噛み合わせの変化により、顎や首まわりの筋肉に負担がかかります。その結果、頭痛や吐き気を感じるケースもあります。
また、睡眠不足やストレス、胃腸の不調なども少なからず関係します。
吐き気を軽減する5つの方法

ここではインビザライン治療に対する吐き気に対しての対処法についてお話ししています。
最初の説明通り隙間があると違和感が出ますので、隙間がない状態にしてもらいましょう。
あとは
● 少しずつ装着に慣らす
新しいマウスピースをつけて吐き気などの不快感を強く感じる場合は、短時間から始めて徐々に慣らしていきましょう。寝ている間につけると、違和感を感じにくいです。
また、可能であれば歯科医院でインビザライン治療を始める前に似たようなマウスピースを作成してもらい、少し慣れさせてから治療を始めるという方法もおすすめです。
● マウスピースを常に清潔に
マウスピースの汚れや臭いは不快感を助長します。ぬるま湯や専用の洗浄剤で1日に1〜2回洗い、常に清潔な状態を保ちましょう。
ただし、お湯で洗うとマウスピースの変形の原因になりますので避けるようにしてください。
● 水分をこまめにとる
矯正治療が始まると、以前よりも口の乾燥を感じやすくなります。こまめに水分を摂ることで乾燥を防ぎ口の不快感が軽減されます。
ただし糖分が入ったジュースやスポーツドリンクなどはマウスピースの中に、糖が停滞し虫歯の原因にもなるので避けましょう。
またお茶などもマウスピースをしたまま飲むと、ステインが歯やマウスピースについてしまいやすくなります。
● 歯科医にフィット感を確認してもらう
マウスピースの縁が歯ぐきや舌に当たっていると、吐き気を誘発することがあります。専用の器具でマウスピースを削るなどの微調整で改善する場合もありますので、早めに歯科医に相談してください。
● 生活リズムを整える
睡眠不足やストレスは自律神経の乱れを招き、インビザライン矯正中の吐き気を悪化させます。特に矯正初期はストレスを感じやすいため、無理をせず体調を最優先にしましょう。
すぐに歯科へ相談すべき症状

- 吐き気・嘔吐が数日以上続く
- めまいや頭痛を伴う
- 口の中が腫れて痛む
- アレルギーのような発疹・かゆみが出ている
- 食欲不振や体重減少が見られる
これらの症状は単なる“慣れ”ではない可能性があります。長引く場合は、装置の調整や素材変更などが必要になることもありますので、我慢せずに早めに担当の歯科医師へ相談しましょう。
まとめ:焦らず慣れていけば大丈夫
インビザラインによる吐き気は、多くの場合「慣れ」で解消できる一時的な反応です。異物感や圧迫感が原因のことが多く、清潔な管理や装着方法の工夫で大きく改善します。
それでも症状が続く場合は、他に原因があるかもしれませんので歯科医に相談して原因を特定しましょう。適切な対応をすれば、快適に矯正を続けながら理想の歯並びを目指せます。
当院ではインビザラインを始める前に、お試してマウスピースを装着していただくことも可能です。インビザラインを始めたいけれど、不安があるという方は、まずはお気軽にご相談下さい。
