歯並び矯正には、マウスピース矯正とワイヤー矯正の方法があります。
どちらの治療方法がご自身のお口の状態に合っているのか、お悩みの方もいらっしゃるかと思います。
今回は、2つの治療方法の違いについて、簡単にご説明いたします。
治療の流れ
基本的に、治療の手順は、マウスピース矯正もワイヤー矯正も大枠は同じです。
- カウンセリング:患者様のお悩みや、どのような歯並びになりたいかを伺います。
- 検査・印象採得:レントゲン撮影や歯肉の状態、むし歯の有無を確認します。歯型を採ります。
- 診断・治療計画:検査結果をもとに診断を行い、治療計画をご提案します。
- 矯正装置の製作:歯型をもとに、矯正装置を製作します。
- 矯正装置の装着:歯の移動に併せて装置を交換し、理想の歯並びに導きます。
- 保定:治療が完了し、理想的な歯並びになったら、後戻りを防止することが大切です。
装置の違い
マウスピース矯正とワイヤー矯正の装置の違いについてご説明いたします。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の場合、シミュレーションを基に製作したマウスピースを段階的に交換していきます。
1日20時間以上の装着が効果的です。
マウスピースの装着期間を指示しますので、基本的には、ご自身で次のマウスピースへ交換していただきます。
通院は、2か月に1度程度です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にボタン状のブラケットという装置を接着します。
ブラケットにワイヤーを結紮し、調整することで歯の移動を行います。
ワイヤー矯正の装置は、患者様ご自身で取り外しができないため、来院して調整します。
治療の経過によって異なりますが、1か月に1度の頻度でご通院いただきます。
治療期間
治療期間は、平均してワイヤー矯正よりマウスピース矯正の方が短いといえます。
これは、マウスピース矯正の適応範囲にも影響されるため、短いからマウスピース矯正の方が優れた治療というわけではありません。
マウスピース矯正
歯並びの状態によっても異なりますが、部分的な歯並びの矯正であれば数か月で完了するものもあります。
一般的には、1~2年程度をご想定ください。
マウスピースの装着時間など、指示通りに行っていただけない場合には、治療期間が延びてしまうこともあります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正も、歯並びの状態によって治療期間の差異はありますが、一般的に1~2年をご想定ください。
抜歯が必要なケースや、ワイヤーを歯の裏につける舌側矯正の場合には、半年程度長くかかることがあります。
治療中の不快感
矯正治療中は、装置を付けるため、異物感や痛みといった不快な症状を感じるタイミングがあります。
もちろん、徐々に慣れていくため大きな心配は必要ありません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、痛みや不快感がある場合にはご自身で取り外すことができるというメリットがあります。
装着時の痛みは、ワイヤー矯正に比べると少ないです。
ワイヤーのような金属素材ではないため、粘膜に傷ができるリスクも小さいと言えます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正の場合、調整当日は、咬み合わせると痛みや不快感がある場合があります。
調整日から日にちが経つと、慣れていきますのでご安心ください。
ワイヤーが何らかの原因で粘膜に引っかかる場合などは、お早めにご来院ください。
見た目
お仕事の都合や、面接試験や結婚式など矯正装置が目立つと困るタイミングもあるかと思います。
マウスピース矯正
透明な装着のため、基本的に装着していても他人にはほとんど分かりません。
発音にもさほど影響がないため、会話も問題ありません。
ワイヤー矯正
歯の表面に接着したブラケットの凹凸とワイヤーの金属色が目立ちます。
ワイヤーを白い素材にすることや、歯の裏側に装着する舌側矯正を行うことで、目立たなくすることが可能です。
食事
歯科矯正治療中のお食事は、治療を開始したばかりのころには戸惑うことも多いかと思いますが、皆さんだんだんと慣れていらっしゃいます。
マウスピース矯正
ご自身で取り外しが可能な装置ですので、お食事の際には取り外すことができます。
装置に食渣が付くことや、着色を防止することができます。
お食事後は、歯列矯正を開始する以前と同様に隅々まで歯磨きをすることが可能です。
ワイヤー矯正
ワイヤー装置の隙間に、食渣が残ることがあります。
食後は、小さなタフトブラシなどを使った歯磨きが必要です。
ガムやキャラメル、お餅といった粘着質な食材は装置から取れなくなるため注意が必要です。
また、硬いものを噛んだ際や、フランスパンや、するめのような引っ張って食べる動作は、装置自体がはがれてしまう可能性があります。
まとめ
マウスピース矯正とワイヤー矯正の大まかな違いをご理解いただけたでしょうか?
マウスピース矯正は、患者様の歯並びの状態によって適していない場合もありますが、比較的ライフスタイルに影響を与えない治療方法といえます。
歯列矯正に、ご興味をお持ちでしたらお気軽にご相談ください。
最適な治療方法を、患者様のライフスタイルを大切にご提案いたします。