執筆:歯科医師 河合良治
最近ではお口の審美性に気を使う人が増え、矯正歯科やセラミック矯正などに興味を持つ人が増えました。
しかし、近年安易に歯の神経を除去してセラミックを被せたり、健康な歯を大幅に削って被せ物をする極端な審美歯科が増えてきたように感じます。
今回は歯に優しい、お口の健康を重視した審美歯科について考えていきましょう。
審美歯科の裏側
歯並びを綺麗にしたい、芸能人のような真っ白な歯にしたい!美容に気をつけている方なら誰でも思うことでしょう。
最近では審美歯科をメインにしている歯科医院の広告で「当日に白い歯に置き換えられます!」「すぐにできるセラミック矯正」などといった言葉をよく目にするようになりました。
しかし、これらは全て健康な歯を大幅に削り、ひどい場合は虫歯のない歯でも歯の神経を除去し上からセラミックなどの歯を被せるといった方法になります。
確かに期間は短く、短時間で見違えるように綺麗な歯並びになります。
ただし若い方であればあるほど、将来的にトラブルを起こす可能性も高くなります。歯を一度削ってしまうと元の状態には戻りません。特に神経を除去してしまうと、歯に栄養が行かなくなりとても脆くなってしまいます。
被せ物との間に隙間ができた場合は、そこから虫歯菌が入り込み、気づいた時にはセラミックの下で歯がボロボロというケースも少なくないのです。
また、他の弊害として短期間で見た目だけを重視したばっかりに、治療後は咬み合わせがおかしくなり、慢性的な頭痛やめまいに悩まされるということもあります。
短時間で綺麗になるといった審美歯科は、歯の寿命と引き換えに手に入れる美しさだということを理解しておきましょう。
関連サイト:日本歯科審美学会
当院の「審美」歯科に対する考え
池袋同仁歯科クリニックが美容治療における診療方針として掲げているものは、
・その人の最適な健康を維持、
・その人に最適な美容治療提供
・その人にできるだけ短期治療
ということです。そして私たちの優先順位は
「最適な健康>最適な美容治療>短期間での治療」となっています。
スピード重視といって、乱暴な美容治療をおこなう歯科医もおりますが、私たちはこのような診療方針です。
一瞬のきれいを作るのはちょっと勉強すればだれでもできる技術ですが、10年の長期で考える美容治療はもっと総合的に診断をし、計画的におこなう必要があるのです。
咬み合わせを考えた審美歯科
私たちの歯は見た目だけではなく「噛む」といった大きな役割があります。その中で噛み合わせはとても重要で、少しでも狂ってしまうと身体全身に大きな影響を及ぼしてしまいます。
審美歯科でも、その人に合う咬み合わせをしっかり考えながら美しい歯にしていきます。
虫歯や歯周病もしっかりケア
見た目は綺麗でも歯周病が進行していて口臭がひどい、キレイな被せ物の中は虫歯でボロボロとなってしまっては意味がありません。
審美だけを重視するのではなく、せっかくなら、予防歯科ベースの総合治療で美容歯科治療を受けてみてはいかがでしょうか。虫歯も歯周病トータルで治療できます。
できるだけ健康な歯質を残した審美歯科
健康な歯はそれだけであなたの財産です。
むやみに削ったり、神経をとったりすることでその財産は失われてしまいます。当院では、できるだけ健康な歯質を残した審美歯科を心がけています。安易に歯の神経を除去したりすることはありません。
まとめ
歯が見違えるほど美しくなる審美歯科ですが、短期間でできる審美歯科にはそれだけデメリットが多いのも事実です。当院は歯の健康を重視した審美歯科を行っています。
歯を綺麗にしたいけれど、できるだけ自分の歯は守りたいという方はぜひ一度当院へご相談ください。
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