審美歯科と矯正歯科の違い

執筆：噛み合わせ認定医河合良治

歯並びを綺麗にしたい時に、審美歯科と矯正歯科がどちらがあっているかのだろうか？どう違うのだろうか？と迷われる方も多いでしょう。

近年では審美歯科、美容歯科も一般化しており、歯並びを綺麗に見せる治療法を選択される方が増えてきました。

この記事では、審美歯科と矯正歯科の違いを詳しく解説していきます。自分に合った治療を選択されてください。

どの程度改善したい？

セラミックで形態を修正する審美歯科には限界があります。あなたがどの程度きれいにしたいかにより、審美歯科の範囲で行けるのか、矯正歯科を併用か矯正治療のみで治療をすべきなのかわかってきます。

歯並びを綺麗にする方法には、大きく分けると矯正歯科と審美歯科があります。矯正歯科と審美歯科では、治療方法が大きく異なります。

矯正歯科は、歯列矯正で「歯を移動する」のに対して、審美歯科は「歯を移動させないで、形態を変えてキレイにする」というイメージです。

歯列矯正にも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった方法がありますが、いずれも根本的な原因(歯並びの乱れ)を解決し、歯並びを整えることを目的としています。

矯正装置を利用し、歯を少しずつゆっくりと時間をかけて動かすことで、理想の歯並びに近づけることが可能です。

また、矯正治療は見た目の歯並びだけではなく、顔貌や噛み合わせを改善することも可能です。歯への無駄な力をコントロールして、わたしたちのコンセプトの予防歯科にも通じます。健康状態をキープすることに貢献します。

理想の歯並びになるまでは1年~2年程と時間はかかりますが、リスクも少ないため安全に歯並びを改善することができます。

また歯の位置を変えると言うことは、顔貌も変わることに繋がります。出っ歯の前歯をセラミックにしたところで、歯茎が後ろには引っ込まないことは理解できるのではないでしょうか。

ただし矯正装置を着けるのに、虫歯治療などが多いとつきづらかったり、装置はハズレることもまれにあります。重度の歯周病があると、対応は難しいです。

審美歯科の治療は幅が広く、基本的に見た目を美しく見せることを目的としています。

一般的には、お口の中に入っている被せ物(銀歯)などを白い上物に交換し、見た目を綺麗にする治療方法などを審美歯科といいます。

しかし、近年では審美歯科で歯並びを綺麗に見せるという矯正方法を行う歯科医院が増えてきました。(セラミック矯正とも呼ばれています。)

審美歯科では歯を小さく削り、セラミックなどの上物を被せることによって、歯並びを綺麗に見せることができ、歯列矯正よりは短期間で治療を終わらせることができます。

ただし、審美歯科のセラミック矯正は、短期間で治療を終わらせることができますが、歯の位置、根の位置は移動しないため、歯茎の位置が変わることはなく、顔貌も変化するにはある程度の制限があります。

セラミック矯正で一番気をつけるべきは、大手の美容歯科などでは、安く、早くを売りにしてるので

歯を大きく変化させるために、歯の神経を取る処置しをしてしまうことがあります。

歯の神経はとても重要で、神経を失った歯は、他の歯に比べて寿命が短くなります。

ですから神経は残すのが理想です。

そうなると大幅に歯の形態を変更するにはある程度制限が出てくるわけです。

歯列矯正も審美歯科も最終的な噛み合わせはとても重要になります。

噛み合わせの基本は、中心位という基準だったり、臼歯離開咬合だったりしますが、ここをみて治療するクリニックは少ないため、

大掛かりに治療するには特に注意が必要です。

噛み合わせが悪いと、お食事の際に食べ物を噛み切れなくなり、顎にも負担がかかるようになります。

顎関節症などのリスクも高くなるため注意が必要です。

無理にセラミック矯正をすると、歯が大きくなってしまったり、小さくなってしまったりと、不自然な歯になってしまうケースがあります。

審美歯科と矯正歯科の違いを解説しましたが、ご自身の程度に合わせて選択されてください。

当院でも、あなたの健康を一番に考えて治療法を提案します。

歯並びを綺麗にするためには、まず「どうなりたいのか」イメージがあるといいですね。

後悔しないためにも、治療方法を十分に理解した上で、ご選択されることをおすすめします。

当院では、噛み合わせやお口の健康を重視した美容歯科治療を行っております。

短期間で治療を終わらせたいけど不安・・という方は一度ご相談ください。